ミハラルベルス服用試験(凝固・線溶因子の変化)

試験のポイント:

  1. 安全性の確認 凝固系因子を測定し、出血(副作用)の有無を確認
  2. 線溶活性の変化の範囲を確認 線溶活性を示唆するt-PAI、フィブリン分解産物FDPとDダイマーの値と、DIC等病的な数値もしくは急性期血栓溶解療法下での数値と比較

鈴木紘一先生(元国立病院機構東京医療センター副院長)の協力を得て、2009年から2010年にかけて、35歳以上の男性4例女性8例計12例に対し、アカミミズ酵素粉末内服前、服用後1日、2日、1週間、1ヶ月、その後は月1回、空腹時採血。検査項目として、末梢血、生化学的一般血液検査に加え、線溶系ではt-PAI(PAI-1):組織プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター、FDP:フィブリン分解産物、D-D:Dダイマー、α2PI:α2プラスミンインヒビター、凝固系ではPT:プロトロンピン時間、APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間、ATⅢ:アンチトロンピンⅢを測定。

結果と考察:

  1. 一般血液検査では内服前後の大きな変動はみられず、出血凝固系の諸因子(PLT:血小板数等)も全て正常範囲内で変化はみられなかった。出血等の副作用の観点からも安全とみられた。
  2. 線溶系因子のうち、最終的なフィンブリン活性の指標としたt-PAIに変化が見られた。 内服翌日から数日内にt-PAIに著名な上昇が見られた症例は4例、中等度の上昇は3例、軽度の上昇は3例、無反応例は2例であった。 末梢血、生化学的一般血液検査、凝固系因子にはほとんど変化がなかったのに対して、t-PAIに変化があらわれたことから、ミミズ酵素の服用では、フィブリン活性にのみ作用することが示唆された。

  3. 線溶系因子のうち、フィブリン分解産物FDPについては、上昇傾向を示す例が多く、服用による線溶活性が示唆された。 しかしながら、あくまでも食品として配合された線溶活性化酵素の服用量であることから、数値にダイナミックな変化は無く、異常亢進を示すものでもなかった。 また、フィブリン分解産物Dダイマーについては、12例のうち6例に数値の変化が現れ、1例は基準値1.0μg/mLを超える変化があったが、数日内に正常値にもどった。